旅行の割り勘でいちばん報われないのは、立て替えた人です。大きな金額を一時的に負担したうえに、旅行後は全員に「あれ払って」と催促して回らなければなりません。この構造そのものを変えるのが、デポジット(前払い)方式です。
旅行の前に、参加者全員から同じ金額を集めて共同の資金(プール)を作り、旅行中の支払いはすべてそこから出す方式です。旅行が終わったら、使った分を差し引いて余りを返金します。
| 立て替え方式(普通の割り勘) | デポジット方式 | |
|---|---|---|
| 集金のタイミング | 旅行後(何度も催促が必要) | 旅行前(1回だけ) |
| 立て替える人 | 特定の人に集中しがち | いない |
| 未払いリスク | あり(払わない人が出る) | ほぼない |
| 最後にやること | 集金 | 返金 |
最大の違いは、最後に発生するのが「集金」ではなく「返金」になることです。お金を返してもらう作業は催促が必要ですが、返す作業に催促は要りません。この一点だけで幹事の負担は劇的に軽くなります。
金額設定は、予想される総額を人数で割って、少し多めに切り上げるのが基本です。目安としては次のように考えます。
宿泊費をすでに個別に払い終えている場合は、現地で使う分だけを集めれば十分です。
足りなくなって追加徴収するより、多めに集めて返金するほうが圧倒的に楽です。返ってくるお金には誰も文句を言いません。迷ったら多めに設定してください。
それでも足りなくなることはあります。そのときは、全員から同じ金額を追加で集めるのがもっとも揉めません。「足りない分を誰がいくら出すか」を個別に議論し始めると、そこで一気に面倒になります。
「1人あたり1万円ずつ追加」とシンプルに決めてしまえば、計算も納得感も保てます。最終的な返金額の計算は、集めた総額が増えるだけなので複雑になりません。
デポジット方式でも、全員が同じ額を返してもらうわけではありません。使った分は人によって違うからです。計算式はシンプルです。
返金額 = 預けた金額 − その人が使った金額
「その人が使った金額」は、支払いごとに対象者で割って合計します。たとえば3人旅行で1人2万円ずつ(プール6万円)預け、次のような支払いがあったとします。
| 支払い | 金額 | 対象 | 1人あたり |
|---|---|---|---|
| 宿泊費 | 30,000円 | 全員(3人) | 10,000円 |
| 居酒屋 | 12,000円 | 飲む2人だけ | 6,000円 |
このとき各自の利用額と返金額は次のようになります。
| メンバー | 利用額 | 返金額 |
|---|---|---|
| 飲んだ人A | 16,000円 | 4,000円 |
| 飲んだ人B | 16,000円 | 4,000円 |
| 飲まない人C | 10,000円 | 10,000円 |
飲まなかったCの返金額が多くなり、不公平感が自然に解消されます。この「対象者を分けて負担させる」処理が、デポジット方式を公平に運用する肝です。
「たびわり」ではグループ作成時にデポジット制をオンにすると、プールの残高・各自の利用額・返金額が自動で計算されます。追加徴収にも対応しているので、足りなくなっても計算し直す必要はありません。
デポジット制で割り勘をはじめる(無料)グループ作成時に「デポジット制」をオンにするだけ